2004. 4. 7(水)

さくらママが出会ったイキな若者と、ナンパの話


この「たわわにたわごと」日記になんどか登場してもらったことのある、
さくらのママは、若い頃美人だった。
いや、今でも娘の私は、60も過ぎた母親である彼女のことを
美人だと思っているのだけれど、これは身内びいきかも知れない。
誰だって、自分の母親はいつまでも「美しい人」だと思いたい。

が、むかしはもっと美人だった。
今みたいに太ってなかったし…。
小柄で細くておしゃれで、着物がよく似合った。
ふだんもよく着物を着ていた。

洋裁もしていたので、その頃はデザインの勉強&趣味で
よく映画(洋画)も観たらしい。
オードリー・ヘップバーンのファッションがお気に入りで、
オードリーが映画で着ていそうなワンピースを作り、
それを着て写っている写真もある。

とまあ、それは若かりし頃の話で、今はみる影もない!?のだが、
なかなか可愛らしく、ボケたところも考えなしなところもありながら、
ときどき妙に根性のすわった逆境に強い面をみせたりと、
魅力的なヒトではある。

で、このさくらママ、いい中年のオバさんになってからも、
なぜか何度かナンパをされている。
けっして、誘えばついてくるような雰囲気をもっているとは思えないのだが、
なぜか誘われる。

梅田の横断歩道を渡りだすその瞬間に、いきなりウデを組まれ、
「お茶でものみに行きませんか?」
とか、

もうすこし若い頃には、着物を着ていた日、浮浪者のおじさんに、

「おねーさん、ラーメンおごってぇ」

とか言われ、しばらくついてこられたらしい。
(これはナンパとは言わないか…)

足早に歩いているのに、

「ねえねえ、おねーさんってばぁ」

とまだついてくる。
あまりしつこいのとかわいそうになってしまったため、

「私は一緒に行けないから、これでラーメンたべてちょうだい」

と、おカネもないのについ千円を渡してしまった話とか。


で、それからン年も経ったある日。

さくらママは、梅田に出かけ、帰りを急いでいた。
両手にたくさん荷物を持って、家族へのおみやげも持って、

(早く帰ってみんなのゴハン作らなきゃあ)

と…。

そこへ、ひとりのオジさんが誘ってきた。

「これから食事でも…」

ママは耳をうたがった。

わたしゃせかせかと、自分を待つ家族のもとへ急いでいるのよ。
どうみても、
(はよ帰って晩ゴハン作らないと!)
の中年オバさんの私に、ナニ言うてんの、この人は。

首を横に振りつつ、通り過ぎるママ。
しかし、オジさんはなぜか執拗に追ってくる。
なんなのよ、いったい。

さくらママは困った。

と、そこへ、

チャリーン。

後ろで小銭のころがるような音がした。
ハッとして振り返るママと、ナンパオジさん。
五円玉が1枚、落ちていた。

するとそこには、大学生風のさわやかな若者がふたり立っている。

うちのひとりが、その五円玉を拾い、ママに言った。

「落としましたよ」

「あ、あら、私?ありがとう」

どぎまぎしつつ、とっさに受けとるさくらママ。

「どういたしまして」

若者は、ウインクして通り過ぎる。

その、一瞬のできごとで気をそがれたナンパおじさんは、
きまりわるそうに、やっと去ってくれたそうな。

そこでさくらママは、

ああ、今の様子をみて、わざと五円玉を落として助けてくれたんだ…

と、気づく。

なんてイキな、さわやかな助けかただろう。
ナンパおじさんにハジをかかせるでもなく、
どうかすると助けられた本人もとっさには気づかないような、
さりげないスマートな行動。

私は、この話をきいたとき、
なんてカッコイイ、素敵な若者だろう、と思った。
(これで顔までさくら好みだったら、できすぎだ)

どんな人だったのかなあ。
ママを助けてくださって、ありがとう。
いつかこの話は、なにかのかたちで書きたかった。

私はと言うと、あまりそういう経験はない。

でも、2度ほど、忘れられない声のかけられ方をしたことがある。
どちらも20代だったかなあ。10代ではなかったよなあ。
看護学生の頃かなあ。

本屋さんで友人と待ち合わせ中の、あるとき。

「あの〜…ぼく、独身ですねん」

「…は?」

そんな、ニコニコとして言われても。

「あの〜、人と待ち合わせしてるんで、失礼します」

マジメに受け答えして、さくらは逃げた。

もうひとつは、電車のなか。

隣りに立っていた、オジさんだかおにいさんだかが、
じーっと私の顔をみて、

「きれいな目ぇしてはんねー…」

とんでもない!アナタのほうがずっとキラキラした目をしている。
なんだかアブナイ感じだ。
ほめられた、というより、瞬間ぞっと、こわい、と感じた私は、
なにか言ったかどうかおぼえていない。

梅田に着いたとたん電車を下りて、
ついてくる??ような気がしたその人から遠ざかるために足早に歩き、
トイレに入ってしばらく待った。
いちど外をのぞくと、なんだかきょろきょろしているその人がみえたので、
もうしばらく待った。

そして、そおっと、出て行った。もういなくなっていた。
ほっ。

あれはほんと、こわかった。なんだったんだろう。
わるい人ではなかったのかも知れないが、
とにかくその人の、自分をみつめる表情と声の調子がこわかった。

記憶にあるのはこういうのだけで、
カッコイイ男のかたから街で声をかけられた経験は皆無。
キャッチセールスとかはあるけど。
土曜の午後だか夕方だか、夜勤に入る前の時間帯に呼びとめられ、
「これから仕事ですから」
と言ったら、

「えっ、土曜のこんな時間から仕事?
 なんの仕事してはんの。ピンサロ?ププッ♪」

(今頃、ピンサロなんて言葉、あるのだろうか…)(^o^;

軽薄そうに笑われた。
うるさい。ほっといてよねっ。

ところで、
フツーのナンパって、どういうモノなんですか??…^-^;


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